事業紹介

事業紹介土壌処理技術

各現場の汚染状況・汚染物質の種類・濃度・分布状況等を踏まえ、最適な対策方法を御提案致します。

VOCs(揮発性有機化合物)・油類汚染土壌対策

土壌ガス吸引法

土壌ガス吸引法

  • 土壌中の有害物質(ガス)を吸引し活性炭処理します。

バイオレメディエーション

  • 微生物の働きを利用して土壌中の汚染物質を分解・浄化します。

重金属類汚染土壌対策

掘削除去工法

  • 汚染土壌を掘削除去し良質土と入れ替え、汚染土壌は物質や濃度に応じて適正に処理します。

土壌洗浄工法

  • シルト・粘土分を洗浄分級除去することによって、重金属類の含有量を低減する工法です。

ハイブリット浄化工法

  • シーリングソイル工法と土壌浄化工法を併用した高度の浄化技術で、重金属の溶出量と含有量の両基準を満足させます。

シーリングソイル工法

  • ゼオライトや天然の粘土鉱物資源を利用した不溶化工法です。

  ※シーリングソイル工法は以下で解説します。

シーリングソイル工法

シーリングソイル工法とは…

シーリングソイル工法は重金属等汚染土壌の改良を目的として湊 秀雄博士(東京大学名誉教授)ほかが開発しました、天然鉱物系改良材とする地化学的固定化工法です。
開発からすでに15年を越える施工実績を持ち、完成度が高く低コストと低負荷と高品質を同時に実現した改良工法と高い評価を得て、最近は各地の公共事業で採用されております。

シーリングソイル工法のメカニズム

本工法の不溶化メカニズムは、以下の短~中期的固定化、長期的固定化によるものです。 
シーリングソイル工法は、自然界において長期間にわたり生成存在してきた無害な物質(天然イオン交換素材)に鉛・砒素などの重金属類を吸着させ(短期的不溶化)、順次それらが無害な鉱物内及び表面に固定化され(長期的不溶化)、その結果として汚染物質の移動や拡散を防ぎます。

いわば、天然鉱物資源の機能と反応による2段階の固定化作用により成立する工法です。

 

短期的不溶化
おもに天然ゼオライトや風化粘性土中のアロフェンやイモゴライト、ハロイサイトに吸着固定化されます。また、消化ドロマイト中のマグネシウムやカルシウムへの吸着と共にpHのアルカリ化反応により、イオン交換反応の促進、凝集、固定化がより進行します。これらの反応は、混練後数時間で進行し、1~2週間で強い不溶化効果が発現可能です。

 

長期的固定化
風化粘性度に含まれるケイ酸及び鉄、アルミナ等の含水性非晶質物質及び低結晶性の粘土鉱物により、高度に結晶化するに伴って、微量成分としてケイ酸塩鉱物中に強固に固定化が進行します。

図表1 ゼオライの吸着概念図 図表1 ゼオライの吸着概念図

風不溶化の初期的な効果を担う短~中期的固定化についての詳細は以下のとおりです。

 

①陽イオンの吸着性能 
ゼオライトは鉛・カドミウムなど陽イオンに対する吸着性能は特異であり、全含有量(底質調査法)で示すと鉛では5,400mg/kg(5.4g/kg)以上、カドミウムでは900mg/kgを吸着します。(図表2)

図表2 ゼオライトの鉛・カドミウムイオン吸着特性 図表2 ゼオライトの鉛・カドミウムイオン吸着特性

②陰イオンの吸着性能
ゼオライトのみを混合しても溶出量が基準適合に至らない事例をもって、ゼオライトを使用するシーリングソイル工法は不適当と評価する向きもありますが、これは全く当たりません。 
砒素濃度2mg/Lの溶液に天然ゼオライト(Zm)と、シーリングソイル工法に使用する複数の天然鉱物系混合改良材(Ss)を入れた場合の、接触(振盪)時間による吸着量と固定化量の差異を計測してみました(図表3)。その結果、ゼオライト単体(Zm)では砒素濃度は48時間後で0.69mg/Lまでしか低下せず、分離したゼオライトの砒素溶出量は0.11mg/Lで溶出量基準を上回りました。

それに対して、天然鉱物系改良材混合体(Ss)では砒素濃度が0.003mg/Lまで低下し、分離した混合体の砒素溶出量は0.003mg/Lと、基準適合まで砒素を確実に固定化していることを実証しています。

図表3 ゼオライト(Zm)と混合体(Ss)の砒素吸着特性 図表3 ゼオライト(Zm)と混合体(Ss)の砒素吸着特性

また混合改良材(SS)は、鉛・カドミウム・水銀の複合汚染の場合でも、30~60分と比較的短時間に各重金属イオンに対し、共に吸着機能を発揮することが実験で証明されています。 
火山性風化粘性土に多く含まれる非晶質アルミノ珪酸塩鉱物であるアロフェン(SiO2・Al2O3・nH2O)は、表面にふっ素等の吸着する能力を持っています。 
アロフェンを比較的多く含む火山性風化粘土の添加率とふっ素溶出量は相関性があります(図表4)。溶出量8.3mg/Lのふっ素汚染土壌に火山性風化粘性土10%(重量比)を添加したところ、溶出量は5.4mg/Lまで低減しました。単なる希釈効果ではなく、ふっ素に対して吸着機能を発揮していることは明瞭といえます。

図表4 火山性風化粘土の添加率とふっ素溶出量の相関図 図表4 火山性風化粘土の添加率とふっ素溶出量の相関図

砒素と鉛の複合汚染土壌の改良事例を図表5に示します。このときは原土壌の砒素は溶出量基準の5倍以内ですが全て溶出量基準(0.01mg/L)を超えており、鉛も基準の2倍以内で超えることが3回(300m3)ありました。シーリングソイル工法による改良後は、砒素溶出量は全て基準適合、鉛溶出量は全て検出限界まで低減したことを確認しております。

図表5 砒素と鉛の汚染土壌の改良例 図表5 砒素と鉛の汚染土壌の改良例

植生への影響は

別サイトの砒素汚染土壌の例では、措置後の土壌は溶出量基準(0.01mg/L)適合まで改良され、土壌pHは植生に影響を与えない8~9.5の弱アルカリに調整されています。(図表6)

図表6 措置前後の溶出量とpH 図表6 措置前後の溶出量とpH

スーパー堤防コア材やダムサイトの法面植生土として、施工10年を越えておりますが、植生への影響報告はありません。(図表7~8)

図表7 不溶化土7,000m3のスーパー堤防コア材への利用例(千葉県市川市 江戸川) 図表7 不溶化土7,000m3のスーパー堤防コア材への利用例(千葉県市川市 江戸川)

混合する資材(ゼオライト等)により粒度調整・透水係数調整も可能です。

図表8 ダムサイト法面植生土の利用例(岡山県苫田ダム) 図表8 ダムサイト法面植生土の利用例(岡山県苫田ダム)

施工実績

安心と安全の施工実績

 

重金属汚染土壌の溶出量と含有量の濃度に応じて、高濃度汚染土壌は場外搬出、中濃度~低濃度汚染土壌は原位置洗浄工法、SS工法(長期固定化工法)による措置対策をおこないました。 
全国各地における施工箇所は40数箇所で措置土量は20万m3を超え、重金属汚染土壌としては砒素単独か砒素を含む重金属複合汚染土壌が大半です。

図表9 シーリングソイル工法実績状況 図表9 シーリングソイル工法実績状況

A.公共工事における主な施工実績

図表10 公共建設工事に伴う主な施工実績

完工年 施工場所 措置内容 特定有害物質 対象土量
(m3)
現状
平成13年

千葉県
(江戸川)
市川市

高層基礎の根切りで発生した砒素汚染建設残土(最大溶出値0.1mg/L程度)の地化学的固定化処理 As 7,500 スーパー堤防コア材
平成14~15年 宮城県
石巻市
橋脚根切りで発生した砒素汚染建設残土(最大溶出値0.3mg/L程度)の地化学的固定化処理 As 823
(3期計)
道路盛土
平成15~16年 岡山県 ダム建設に伴う砒素溶出量基準不適合発生土(最大溶出値0.3mg/L程度)の地化学的固定化処理 As 2200
(3期計)
建設サイト内植生土再利用化
平成15年 山形県
蟹ヶ沢
米沢市
導水トンネル建設工事にともなう汚染発生土の地化学的固定化処理 As・Pb 5,000 水源かん養保安林内に保管措置
平成20年 長崎県
佐世保市
道路建設工事における廃棄物埋立地の溶出量基準不適合土壌の地化学的不溶化 Pb・As・Hg 7,000 法面裏込め土・道路盛土再利用

 

B.都市圏における主な施工実績

措置後の土地用途としては、民間の分譲マンション・賃貸マンション・戸建て住宅・大型複合施設・貯蔵施設(倉庫)、公団の賃貸マンションがあります。措置後経過が二年に満たないため地下水モニタリング中の用地もありますが、対象地及び周辺環境において土壌汚染および地下水汚染においてトラブルが発生している事例は皆無です。

図表11 大規模土地の措置内容と利用状況例

完工年 施工場所 措置内容 特定有害物質 対象土量
(m3)
用途・現状
平成13年 南関東圏 低濃度溶出量不適合汚染土壌のSS工法、高床基礎で遮断 As 5,000 賃貸マンション(500戸)
平成14年 南関東圏 低濃度溶出量不適合汚染土壌のSS工法 As・Pb・Hg 12,500 4棟800戸分譲マンション
平成15年 近畿圏 原位置洗浄工法+長期固定化SS工法 As・Pb 20,000 主に居住区域(マンション)
平成16年 都区内 人為的汚染土壌は場外処分、自然的原因の低濃度溶出量不適合汚染土壌はSS工法 As・Pb 10,000 300戸分譲マンション
平成16年 近畿圏 高濃度汚染土壌は場外処分、中~低濃度汚染土壌は原位置洗浄工法+長期固定化SS工法 Pb・As・Cr6+・F 11,000 主に居住区域(マンション)
平成18年 南東北圏 高濃度汚染土壌は場外処分、中~低濃度汚染土壌はSS工法+遮水型封じ込め F・As 30,000 大型複合施設(健康ランド・マーケットほか)
平成20年 南関東圏 主に溶出量基準不適合(一部含有量基準不適合 )汚染土壌の洗浄+SS工法 F・Pb・As・Hg 23,700 汚染指定区域の解除済み
平成22年 近畿圏 溶出量基準不適合汚染土壌の高度溶媒洗浄工法 F 12、000 汚染指定区域の解除済み
平成22年 都区内 溶出量基準不適合汚染土壌の高度溶媒洗浄工法 F 9,000 マンション建設中

 

シーリングソイル協会

※資料はシーリングソイル協会より提供

お問い合せ先

土木部 環境課 大川 史芳
電話番号 048-829-2909
Fax番号 048-829-2985
メールアドレス ookawa-f@udk.co.jp